- THE HEART SUTRA -現代語訳・般若心経

般若心経は、仏教の知恵を凝縮した短い経典です。「空」の概念を中心に、すべての現象は実体がなく、相互に依存し合い、常に変化し続けるという仏教の基本思想を説いています。この現代語訳は、深遠な哲学を現代の感覚で理解しやすく表現したものです。「null²(ヌルヌル)」の体験の背景にある東洋哲学の一端をご理解いただくための一助となれば幸いです。

こころを澄ませてごらん。

観音さまが、深く深く世界を見つめたとき、

すべてのものが、かたちもなくて、からっぽだと気がついたんだ。

見えるもの、聞こえるもの、触れるものも、

みんな、ほんとうは、どこにもとどまらない。

生まれたり、消えたり、ずっとゆれているんだ。

だからね、苦しいことや悲しいことだって、

心の中で、ずっとつづくことはないんだよ。

目に映るものや、耳に聞こえる音、

香り、味わい、手ざわりや、こころの思い、

ぜんぶが川の水みたいに、さらさらと流れてゆく。

なにかを「これがほんとうだ」と思いこんでしまうと、

心は、迷ったり、悲しんだりするけれど、

すべてが空っぽだと気づくと、もう迷わなくなるんだよ。

怖いこともないし、不安もない。

間違った思いにとらわれることもないんだ。

観音さまは、やさしくこう教えてくれた。

「ほんとうの世界には、迷いも悟りもないんだよ。

何かを得ることも、何かを失うこともない。

すべてはありのままでいいんだ。」

心が自由になると、光が見えてくる。

この光が、苦しみや悲しみの暗やみを照らしてくれるんだよ。

だから、こわがらないで、安心してごらん。

魔法の言葉を、そっと唱えてみよう。

『ぎゃてい ぎゃてい はらぎゃてい はらそうぎゃてい ぼじそわか』

向こう岸へ、向こう岸へ、

光の世界へと、いっしょに渡っていこうね。

観音さまが微笑んだ。

空は青くて、風はやさしく吹いていた。

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「null²」と東洋哲学

「null²(ヌルヌル)」の体験は、般若心経に表現される「空」の思想と深く結びついています。パビリオン内の「ヌルの森」では、固定的な記号や自己認識から離れ、流動的な生命の本質へと回帰することを試みます。これは般若心経の「すべてが空っぽ」という教えと共鳴しており、デジタルネイチャーを通じて東洋の「無」の思想とポストヒューマニズムの未来像を融合させています。

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